最果タヒ

インターネットと宇宙が膨張を続けている。でも、インターネットは爆発して、残るのが水野しずみたいなものと少しのスイッチだけ。宇宙は膨張を続けて、人類は太っていくね。潔癖なひとたちが作った街は、えぐいカラフルとファンタジーがまざりあって、朝でも昼でも夜みたいだ。きのう、きみがやってきて、どこかに帰っていった。いま、ここで息をしていること、立っていることに、価値を見いだされる人間なんてどれぐらいいるんだろうか。テレビが垂れ流すゆめや愛だけが、正しい概念。光の粒に変換された顔が、町中にちらばって会いに来るんだ。死んだ人も保存ができる。絵や言葉は保存が出来る。いま、生きている人がきみにできるのは、裏切りだけかもしれないね。